インフルエンザ対策には水分補給
美容・健康
2019.12.18
冬になると猛威を振るう感染症。なかでもインフルエンザの流行は毎年話題となり、短期間で多くの人に感染が広がります。
受験シーズンでもあるこの季節、どのようにしてインフルエンザに対処すべきか。予防方法や、発症した場合の注意点などについて、古屋医院の院長である内科医 古屋国彦先生に詳しく教えていただきました。
目次
インフルエンザウイルスは寒さと乾燥が大好き
インフルエンザが冬に流行するのはなぜですか?
インフルエンザの原因となるインフルエンザウイルスは寒さと乾燥に強いという特性があります。そのため、気温が下がり空気の乾燥が進む冬になると、ウイルスの生命力や繁殖力が増強し、インフルエンザが流行することになるのです。
なぜ短期間で感染が広がるのでしょうか?
インフルエンザの感染には、大きく3つの経路が考えられます。
1. インフルエンザに感染している人の唾液が、直接口や鼻に入ったりする直接感染。
2. 電車のつり革やドアノブ、エレベーターのボタン、電気のスイッチなどなど、さまざまな場所に付着しているインフルエンザウイルスが、自分の手を介して口や鼻に入る接触感染。
3. 感染している人が咳やくしゃみをしたとき、一緒に大気中に飛び散ったインフルエンザウイルスを、別の人が吸い込んで感染する飛まつ感染。
このうち、無意識のうちに触ったものから自分の手を介して体内にウイルスが入る②のケースが最も多いと言われています。
インフルエンザ予防の対策はいろいろあります
予防するにはどうすればよいですか?
予防する方法はいろいろとありますが、最も有効なのは、免疫力をあげ、ウイルスへの抵抗力を高めることですね。免疫力の高い人は、ウイルスに感染しても自力でウイルスを追い出してしまうため発症のリスクが低下しますし、発症しても重症化せず回復することが多いのです。
免疫力を高めるためには、日ごろから、質の良い睡眠をたっぷりとり、栄養バランスの良い食事と規則正しい生活を心がけることが大切です。アルコールの量にも注意しましょう。飲みすぎると疲れが残り、免疫力が急激に低下します。インフルエンザが流行する時期は、なにかとお酒をいただく席が増える時期でもありますから、特に注意し、適量を心がけることをおすすめします。
それから予防接種。ワクチンを接種することで免疫力が高まり、感染後の発症率が低くなりますし、発症した場合でも症状が軽くて済みます。今からでも間に合いますから、まだという人、特に高齢者や乳幼児は、できるだけ受けて欲しいですね。
日常生活で気をつけることはありますか?
インフルエンザウイルスは、あらゆるところに付着している可能性があります。ウイルスが付着した手で自分の鼻や口を触れば、感染するリスクが高まりますし、いろいろな場所を触ることで無意識のうちに家のなかや職場、学校などにウイルスをまき散らしてしまう可能性もあります。
また、マスクも有効です。マスク自体がバリアになるとともに、自分の息で口や鼻、のどを常に湿った状態に保ち、粘膜や繊毛の働きを活発化させて、ウイルスの侵入を防ぐことができます。ただし、同じマスクをつけたり外したりするのは、表面についたウイルスに触れたり、場合によっては表裏を間違えてウイルスを吸い込んでしまう可能性もあり危険です。マスクは使い捨てにし、外出から戻ったら必ず取り換えるようにましょう。
室内環境についてはどうでしょう?
暖房や加湿器を使って室内環境を整えることはもちろん大切で、インフルエンザウイルスの増殖を妨ぎ、感染や発症を予防することにつながります。インフルエンザウイルスは、寒くて乾燥している冬に活発になる反面、高温多湿が苦手ですから、室温20~25℃、湿度50~60%を目安にしましょう。1~2時間に1回、換気も忘れずにしてほしいですね。
20分を目安に水分補給を習慣化
冬になると手荒れや肌のかさつきが気になるのですが、インフルエンザとも関係ありますか?
良いところに気が付きましたね。夏と違って、汗をかいたり喉の渇きを実感することが少ないので、なかなか水分不足を自覚し辛いのですが、実は冬は脱水状態になりやすい季節です。脱水状態の体は、インフルエンザウイルスが増殖しやすい環境になりますから、水分補給が重要です。知らない間に脱水症ならないよう、職場や学校でもこまめに水分を摂りたいですね。
水分の摂り方や適切な量、おすすめの飲み物を教えてください。
理想的な水分摂取量は、1日に1.5~2Lと言われています。一度に全部を飲むのではなく、細かく分けて飲むことで、スムーズに体に吸収されます。また、口から入ったインフルエンザウイルスは、喉の粘膜にとどまるとそこから体内に入り感染するリスクが高まりますが、胃に入ってしまえば、胃酸の働きによって感染の心配がなくなります。ウイルスが喉についてから感染するまで数十分と言われますから、20分に一度を目安に水分を摂取し、喉についたウイルスを一緒に飲み下すようにすれば、インフルエンザの予防につながります。
38度以上の高熱、もしかしたらインフルエンザかも?
インフルエンザを疑うポイントを教えてください。
今季流行しているインフルエンザの特徴は、突然、急激に体調が悪化することです。全身の倦怠感、頭痛、関節痛、筋肉痛、咳、鼻水、のどの痛みなどが症状として現れ、38度以上の高熱が数日間続きます。また、吐き気や嘔吐を伴う場合もあります。
「風邪だろう」などと軽く考えずに、体調に異変を感じたら早めに医療機関を受診してください。
発症した場合には、どのように過ごすと良いですか?
湿度が50~60%に保たれたあたたかい部屋で、安静に過ごすことが一番です。また、38度以上の高熱が続くインフルエンザの場合、想像以上に体内の水分が奪われてしまいますから、脱水状態にならないよう、体に必要なミネラル分が含まれた温かい飲み物を定期的に口にし、十分な水分補給を心がけてください。
また、熱などの症状が落ち着いたと言っても、無理は禁物です。発症後3~7日間はウイルスを排出していると言われますので、熱が下がってから最低2日間は自宅で休養すること。さらに、その後も外出する際には必ずマスクを着用するなど、感染源にならないよう配慮しましょう。
赤ちゃんや子供、高齢者の場合、注意することはありますか?
少なくとも高熱が出ている間は常に近くにいて、尿の回数や汗の量、唇や口中の渇き具合など、全身の状態などをよく観察し、定期的に水分補給をサポートしましょう。
唇荒れには体内の水分補給がおすすめ
ところで、冬になると気になるのが、唇の乾燥。カサカサしたり割れたりして、リップクリームが手放せないという人は多い事と思います。
古屋先生によると、実は唇の乾燥も、体が脱水状態に陥っているサインのひとつ。リップクリームに過度に依存しなくても、身体、とりわけ足元を温めて、水分を十分に摂取することで改善できるそうです。足首周辺を温めることがポイントですので、レッグウォーマーなどを上手に活用して日常的に保温するとともに、マイボトルにお水やお茶を入れて持ち歩き、こまめな水分補給を習慣化しましょう。
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監修:古屋医院院長 古屋国彦先生