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【インタビュー連載】富士山レンジャー×ふじざくら命水 最終回


こんにちは、富士山レンジャーです。
日本は水が豊かな国です。六甲の水や霧島の水など、美しい山を起源とする水はおいしいですよね。なかでも富士山の水はおいしい。みなさん当然のように、そのことに何の疑問も抱かないと思います。
最終回の今回は、富士山のお水について話したいと思います。

富士山は火山

富士山の水が一味違うのは、その火山の多様性が一役買っています。火山である富士山は、他の火山と比べ形成された年代が新しい山です。現在の姿になったのが約1万年前といわれており、その形になるまでに数十万年ほど前から数えきれないほどの噴火を重ね、日本一の高さになりました。
富士山は主に玄武岩という溶岩でできていますが、同じ玄武岩でも富士山内部の層には、様々な種類や形状の溶岩が重なっています。

富士山に登ったことがある人なら、富士山の地表が赤や茶色のゴツゴツした石や砂で覆われているのを思い出すかもしれません。その砂利状の溶岩は非常に水を通しやすく、富士山に降った雨や雪はその溶岩にじっくり浸み込み、深く浸透していきます。

富士山の湧水

富士山に雨や雪としてもたらされる降水は、1年間で約22億立方メートルにものぼるといわれています。その膨大な量の水は富士山の広大な山体に降り注ぎ、地表の溶岩とは違う、内部の水の通しにくい溶岩層を伝って麓の方へ流れていきます。

こうして流れてきた水が、いわゆる富士山の「湧水」として湧きだし、麓の人々への恵みとなっているのです。この湧水は、「忍野八海」や「富士五湖」など有名な観光地となっているところもあります。
富士山の水は玄武岩の地層を通り抜けることによって、バナジウムというミネラルを多く含んでいます。その量は、別の地層を持つ山々に比べると数十倍以上といわれており、また同じ玄武岩の山でも、富士山の水ほどバナジウムは含まれておらず、富士山特有のものと考えられています。
こうして生まれる富士山のおいしいお水を私たちは誇らしく思うと同時に、後世に末永く守っていきたいと思っています。